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January 2012

野口竜さんのこと

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年明け早々、特撮系デザイナー・イラストレーターの野口竜さんの訃報が流れた。レッドバロン・カゲスターや初期戦隊シリーズ・宇宙刑事シリーズなどのモンスターデザインや劇中イラストで知られる方である。

実は一時期、個人的に親しくさせていただいた事があった。30代になって初台に越したばかりの頃、自分のピアノの師匠である故・針生正男氏に紹介いただいたのだ。師匠は職業作曲家でもあり、何かの仕事で野口さんとご一緒し以来意気投合したのだそうだ。

もう一人、S氏という演出家と3人いつも一緒で、私もまだ独り身で身軽だった故、夜となく昼となくお茶などに付き合わせていただいた。当時S氏の住まいが私のマンションと甲州街道をはさんで反対側にあり、そこによく遊びに来ていた師匠に呼び出されたものである。師匠は若いエレクトーンの先生なんか連れててね(笑)。

新宿にあった野口さんのマンションにも、たびたびお邪魔した。まだ放映前の番組の企画書や、劇中イラストの本物などを見せていただいた。特に魔空空間などの背景で使われた幻想的なイラストなどは、実際そんなに大きなサイズのものではなかったけど、美しい仕上がりでため息が出るほどだった。

この時期は戦隊で言えばジェットマンからジュウレンジャーあたり、メタルヒーローで言えばブルースワットを手がけていたあたり。まさにテレビで見ている現在進行形の仕事を目の当りに見せていただけた贅沢な時間だった。なので、都合3年間くらいは押しかけていた事になる。ちょうど東映特撮デザインをメインで勤めていた最後の時期なので非常に多忙であり、師匠と遊びに行く計画を一応はたてるのだけど、仕事の都合で当日にならないと訪問が可能かどうかはわからないという条件付きだった。しかしドタキャンになった記憶は一度もなく、多忙でありながらも時間を作って約束を守ってくれたのであろうと、今にして思う。

実にやさしいお人柄で、一度も怒った様子を見た事がなかった。業界のことなど何ひとつ知らない私のいっぱしの論説を否定する事もなく聞いてくれたり、お部屋にある献本などを惜しげもなくださったり、当時の私は実に傍若無人なダメヲタクだったが(笑)イヤな顔ひとつせず丁寧に応対してくださった。

その後師匠は1997年に突然他界し、あろう事か時期を同じくしてS氏も他界してしまう。野口さんには師匠の告別式や、弟子たちによる師匠の追悼コンサートにも来ていただいたのだが、以来疎遠になってしまい、今日まで過ぎてしまった。近年はイベントなどで名前を見かける事が多く、久しぶりにお会いしにいこうかと考えていた矢先の訃報だった。

そして本日お通夜に参列する事ができた。先週ふと思い立って出席した新年会の場で、本日の情報を得る事が出来たのだ。その場に行かなかったら参列できなかったわけだから、何とも巡り合わせである。

手を合わせながら、3人のおじさんたちに弄られながらも可愛がられた日々を思い出していた。ちょうど私も独立して、都心に住み始めたばかりの頃で、若かったしやりたい事いっぱいやって毎日が楽しくてしかたなかった。そんな日々に、いろんな話を聞いてくれて時には叱咤激励もしてくれた人生の先輩たち。私はもうちょっとで、当時のその人たちの年齢に手が届く。実は3人とも独身であった。正直その頃はそのことが少々気になりもしたが、そんな私も今は所帯持ち。

野口さん、あの時はほんとうにありがとうございました。今頃はあの世で針生師匠やらと久しぶりに会って、あの頃のように3人でお茶してたりするんでしょうね。今思い出した、そう言えば3人とも下戸でしたね(笑)。毎年戦隊VSシリーズだけは劇場いかずDVDで見るのが常でしたが、今年は劇場に行く予定です。当時のような劇中イラストの新作を書きおこされたとの事で楽しみにしています。ご冥福を祈ります。

<2012/1/13追記>
うちにある縁の品などの画像を追加しました。

一番左は針生師匠の追悼コンサートの打ち上げの席で、手持ちの五線紙に書いていただいたイラスト。ムーミンが書かれてるのは若かりし頃テレビマガジンで連載を持っていたから。真ん中のオバQは、スタジオゼロ所属時代に描いていたから。ある人いわく、「正真正銘の初期のオバQ。全然かわいくない。」まさに。そう言えばこの頃のオバQは毛も3本以上ある。

真ん中は、針生師匠とS氏が晩年に行ったマレー旅行の記録。この表紙イラストと編集作業が野口さんの手による。ほんとに3人仲良かったんだなあ。

一番右はキングのSF特撮TV音楽大全集12のレコジャケとポスターにいただいたサイン。このレッドバロン、よりによって腕もげ状態ってどうよ。

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