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May 2010

好きなキーボード・ソロの話

一応キーボード弾きなので、これまで聞いたアルバムの中ですきなキーボードソロの話など。あまり音楽雑誌でも取り上げられない話題だと思う。曲単位の話になるので曲名・アルバム名・アーティスト名・キーボーディスト名の順で表記する。

■Don't Let Me Down(From the Album「LET IT BE... NAKED」)/THE BEATLES(Keybord:Billy Preston)
レット・イット・ビー...ネイキッド (CCCD)
私は、どういう訳かビートルズにはまった時期がない。アルバムは何枚か聴いてはいるが、好きなアーティストに名前を挙げるまではいかない。。そんな私でもこの「ネイキッド」がリリースされた時、興味があって買ってみた。で、このアルバムの中で一番聞いたのが「Don't Let Me Down」だったのだ。とっくの昔から知っているようで、実はこの曲をじっくり聞いたのは初めてだった。何故ならこの曲はシングルでしかリリースされておらず、これまで各種編集ものにしか収録されていなかったから。「ネイキッド」はフィル・スペクターがプロデュースする以前の姿に戻しただけでなく、あの「ゲット・バック・セッション」を統合する意味合いもあったのだ。

キーボードはビリー・プレストン。「Get Back」のファンキーな演奏ばかりが語られがちだが、私はこちらのソロにいたく惚れ込んだ。正確にはソロと言い難くて、曲終わりの決めフレーズっぽくもある。ほんの数小節のフレーズであれど、実に完成度の高い”歌”である。最近セッションの機会があるとこの曲をリクエストするが、到底及ばない。

1960年生まれの私は所謂「ビートルズ世代」ではない。ラジオの深夜放送を聞きだした小5(1971年)の頃はすでに彼らはソロ活動に入っていた。最初に意識してビートルズの曲を聞いたのが中1頃だから、この時点でもうすでに過去をさかのぼる作業になるわけだ。この頃、だいたい先輩や同級生から等しく通過儀礼のように皆ビートルズの洗礼を受ける。そして私もご多聞に漏れずおせっかいな同級生の貸してくれるレコードなどを聞くようになる。そんな中、映画「レット・イット・ビー」も引っ張っていかれて見に行くわけだ。当時名古屋の伏見にあった名宝シネマでは、冬のビートルズ映画の3本立て興行が恒例となっていた。同時上映は「ヤア!ヤア!ヤア!」と「ヘルプ」。ぎっちり満員で通路に体育座りして見ていた記憶があるが、真冬なのに汗をかくほどの館内の異様な熱気だけはよく覚えている。ライブ映像もろくに見る事の出来ない時代ならではの経験だったのかもしれない。そうして多くの男子(そして一部の女子)がビートルズ・マニアになってバンドを始めたりギターを手にしたりしたのだったが、私はそれよりもテレビの特撮・アニメやブルース・リーや中日ドラゴンズやマンガに忙しく、ロックに本格的に目覚めるのはもう2・3年後になる。

近年この頃の同級生達と、年に一度集まって名古屋で飲み会をしている。私を名宝シネマに引っ張って行ったやつらも来るのだが、今ではみんな家庭をそれぞれ持ち音楽とは無関係な生活を送っている。そして当時彼らの熱狂に乗れなかった私が今もおめおめと音楽を続けているのだから、ほんと人生はわからない。

■Bye Bye Blackbird(From the Album「ROUND ABOUT MIDNIGHT」)/Miles Davis(Keybord:Red Garland)
'Round About Midnight
話はいきなりJAZZ方面に。上京後、クラシック・ピアノのレッスンを断念してJAZZピアノのレッスンを受けていた時期が10年ほどある。毎年発表会があって、プロのドラマーやベーシストを呼んでピアノトリオを組ませてくれるのだが、ある年に選んだのがこの曲だった。ソロ部分をフルコピーして演奏した。

一口にJAZZのソロと言ってもいろんなスタイルがあるのだが、この曲におけるガーランドのソロはコードに忠実な、それでいてちゃんと歌っているお手本のようなソロ。私の師匠いわくソロのフレーズというのは話言葉と同じで、ダラダラと演奏しないでちゃんと区切りをつけないといけない。そんな的確なフレーズがこのソロにはある。通常ソロはテーマを1コーラスずつ各楽器で回すのだが、この曲(というかセッション)ではガーランドのソロは1コーラスを越えて最後のテーマ再提示の前半部にまで及ぶ。これはきわめて異例な事だと思う。

このアルバムは数あるマイルスのアルバムでも名盤中の名盤と言われる1枚。後にモード奏法を開発する事でフリージャズの新しい地平を切り開くマイルスだが、これはモード以前の時代の作品で、非常にわかりやすく聞くやすいアルバムである。

まだハードロック少年だった高一(1976年)の頃、JAZZも聴いてみようと思い立って買ってみたアルバムが「カインド・オブ・ブルー」。モード時代の最初のアルバムであるが、当時の私には難解すぎた。月に小遣いが5000円の高校生にとって毎月何のアルバムを買うかというのは、当時最大の大問題だった。この時の落胆と言ったら。今でもマイルスのモード時代のアルバムはうちにはこれしかない。

■Southbound(From the Album「BROTHERS AND SISTERS」)/The Allman Brothers Band(Keybord:Chuck Leavell)
ブラザース&シスターズ(紙ジャケット仕様)
ここまで書いてわかったように、私が気に入るキーボード・ソロはピアノなんだよねえ。いろんなセッションを繰り返してきて感じるのは、ピアノってほんとロックにからみにくい。基本的にギターのリフ主体になるのでキーボードはロングトーン(いわゆる白玉)になるのが常。これがピアノには非常に苦手な奏法なのである。なのでオルガン系や、残響の長いエレピ系が多くなる。この曲のソロは、ピアノでロックのソロをやるには?という問いに対する答えを見せつけられた気がした。

オールマン・ブラザース・バンドと言えば、サザンロックの大御所である。そして早世したスライド・ギターの名手デュアン・オールマンを擁したバンドでもある。このアルバムはデュアン亡きあとの再出発色も強い1枚で、子供をフィーチャーしたジャケットといい、メンバーの家族集合写真といい、どことなくウェットな雰囲気の漂うアルバムでもある。このアッパーなナンバーで縦横無尽に、それでいてこれまたコードに忠実なピアノをたたくのはチャック・リーベル。どこかで聞いた事ある名前だな、と思ったら現在ローリング・ストーンズのツアーにいつもついて回っているその人なのである。私も2回来日を見に行っているんで、目の当たりにしているはず。

チャックは他にエリック・クラプトンの「アンプラグド」にも参加している。この中では「nobody knows you when you're down&out」におけるソロも好き。ブルースのスタンダード・ナンバーでもあるので、ブルース・ピアノのお手本のようなソロでもある。きっと非常にしっかりとしたブルースやJAZZの基礎ができている人なのだと思う。このようにジャンルに特化する訳ではなく、確固たる基礎を身に付けた上でどんな曲にでも参加できる人が私は好きなのであり、またそんな奏者になりたいとも思っている。

■Highway Star(From the Album「LIVE IN JAPAN」)/DEEP PURPLE(Keybord:John Load)
ライヴ・イン・ジャパン
リスナーとしても奏者としてもいろんな音楽を巡ってきたのだけど、実は結構根の方にハードロックがあるのよねワシ。このアルバムはロックを聞き始めてかなり初期に購入した1枚。というか、これからロックを聞いていこうと思うきっかけとなった1曲が、中学のお昼休みに校内放送で流れてきたこの「Highway Star」だったんだな実は。

これまで書いてきたキーボード・プレイヤーはみなピアノのプレイが中心だったが、ジョン・ロードだけはオルガン奏者。実際にやってる人にしかわからないのだけど、ピアノとオルガンでは演奏がかなり違う。特にハードロック/メタル系の音楽にピアノはあまり使われなくて、オルガン系がほとんど。

ジョン・ロードの演奏を聴いているといろんな音楽の素養を感じるが、基本的にはクラシックをベースとしたスタイル。スタジオ盤の方のソロはこのクラシック色が強くてあまりおもしろくないのだが、こちらのソロはフレーズもしっかりと立っていて素晴らしい。しかもアイデアが横溢したのか、スタジオ盤の尺の倍を演奏している。

そんな私にとって重要な「Highway Star」だが、30過ぎてようやくセッションなどで演奏できるようになった。ただしキーボードソロの部分は当然ライブ版の方。

■Alone/Bill Evans
Alone
最後は曲ではなくアルバム1枚まるごとを。ビル・エヴァンスの最高傑作と言われる有名アルバムだが、私はこのLPをJAZZピアノのレッスンを始めた頃に、ある人から貰って聞いた。自分と対話するというコンセプトで紡がれたこのアルバムを聞いて、当時の私はえらくシビれた。

一般的にピアニストのソロアルバムであれば、ちゃんと左手(主に低音及び和音)と右手でアンサンブル全体を整えるのが常であるが、このエヴァンスはトリオ・スタイルでの演奏をソロでやっているのである(というのが私の理解。おそらくそんな意図はなかったと思うが)。何が違うかと言うとトリオだとベースがいるので、左手は低音を弾く事はなく和音を要所要所で合いの手のように入れる演奏となる。ちなみに師匠はこの伴奏の仕方を「カウンター」と呼んでいた。

師匠いわく「低音がないから、ちょっと物足りないんだけどね~」だそうである。
今でも年に一度、急に聴きたくなる時があるアルバム。

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