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1984年4月

 僕はThe Style Counsile(以下スタカン)の「My Ever Changing Moods」という曲が大好きだ。とりわけ毎年春先になると聞きたくなる。この曲がよくオンエアされていたのは1984年初頭だった。

 その年の春、僕は就職のため上京した。かつてジョージ・オーウェルが暗黒の管理社会を予見し、それにインスパイアされたデヴィッド・ボウイがアルバム「ダイヤモンドの犬」でさらに退廃的な色合いを加えた1984年。そんな最もSFチックな近未来だったけど、実際になってみるとしばらく続いていた不景気もようやく上向きに転じた時期だったせいか、実に穏やかで平和な年だった気がする(そしてすぐにバブル景気に突入するのだが・・・)。名古屋生まれなので都会育ちと言えばそうなんだけど、やはり東京での生活は比べ物にならない。第一人の多さが違う。それに歩くのも速いんだな、東京の人は。だから、最初のうちは仕事から帰ると疲れきって寝るだけの日々だった。そんな中、ある日FMを聞いていたら(その頃は、これが最大の音楽ソースだった)スタカンの来日公演を生放送していた。「東京ってすごいとこだなあ」と思った。

 この頃はMTVブームもあって、日本でもよく洋楽が聞かれていた時代。当時10代後半から20代前半くらいだった人たちは、そんなに洋楽ファンでなくてもあの頃のヒット曲をよく覚えている。キーワードは”第2次ヴリティッシュ・インヴェージョン”、”クィンシー・ジョーンズ”、”サウンドトラック”、etc・・・・。誰もがマイケルジャクソンの「スリラー」を持っていたっけ。そのくらい洋楽が身近だった時代。最初に住んだ場所は中央線の武蔵境で、ここの民間アパートを会社が寮として借り上げていた。だから吉祥寺が至近だったので、最初の休みにはまずそこへ行ったんじゃないかな。あんな風にこじんまりとオシャレでそれなりにサブカルチャー色もある街というのは名古屋にもなくて、広域に繁華街が点在する東京ならではのものなのだと思う。上京して初めて買ったレコードがトンプソン・ツィンズの洋盤。「Hold Me Now」が好きだった。吉祥寺駅すぐそばのディスクユニオンで買ったんだと思う。そして、ここがあの井の頭公園なんだと感動したっけ。

 あと最初に見た映画というのが「ウルトラマンZOFFY」。これは確か渋谷東急文化会館でしか上映されていなくて、東口の歩道橋の上で創刊されたばかりのぴあマップを広げてやっとたどりついた。ついてみると若者の長蛇の列。「すげえ、ウルトラ人気(この頃は4度目のブームが起き始めていた)はほんもんだったんだ。」と喜ぶのもつかの間、それは「風の谷のナウシカ」の列だった事にじきに気づく。

 ご多分に漏れず上京一年目なんて暮らしていくのがやっと。でも、ピアノだけは続けたいので、四谷のヤマハ音楽教室にクラシックのレッスンにもすぐにかよった。大学の頃、大枚はたいて買ったローランドの電子ピアノ”PIANO PLUS”は最初から名古屋から持ってきた。

 薬学部出のくせにコンピュータ業界にきてしまった僕は、早くもその無理さ加減に苦しむ事になる。薬学部を卒業した学生はすぐに薬剤師の資格をとるために国家試験を受けるのだが、その試験日が4月の2、3日でしかも平日。これが製薬業界だったら何の問題もなく受験できるけど僕がいるのは全然違う業界。4/1入社式の翌日の研修スタートにさっそく2日も休む事になる。また入社式の後、なぜか皇居一周マラソンをさせられ(恒例らしい)その後は先輩たちにしこたま飲まされた。自分が卒業した学校の学生はほぼ100%近くがこの卒業直後の時期に合格するのだけど、数少ない不合格者に入ってしまった(合格までに都合6回受験する事となる)。しかも有給のない時期の休みだから、欠勤扱いとなって記念すべき最初の給料からは1万強さっぴかれるというおまけつき。東京生活はこんな風に最初からけっつまづいていた。

 今でも春先になってくると、「My Ever Changing Moods」を思い出す。この曲を聴くと、あの1984年の春の日々を思い出す。僕にとっては、最も春のイメージが喚起される1曲。ちなみにこの曲、アルバムにはピアノだけのスローなヴァージョンが収録されていて、オンエアされていた方のヴァージョンはシングル集でしか聞けない。僕が好きなのは、当然こっちの方。

 今年もまた一番東京で電車が混む季節がやってきた。何度もそんなのを見かけるうち、いつの間にかデヴューしたての社会人がすぐにわかるようになった。

 俺もきっとあんな風に全然スーツが似合ってなかったんだろなあ。

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